マグロは何番目にお好き?(2)
マグロ食の歴史 8世紀末頃に完成したといわれる我が国最古の歌集である万葉集には漁業の情景を歌ったものがいくつかあり、そこから当時の漁法を知ることができます。 万葉集第9巻4218番には大伴家持が越中守として赴任した時に詠んだ歌があります。当時は漁火を灯してそれに集まるマグロを銛で突いて取っていたことがわかります。 江戸時代に書かれた慶長見聞集には「鮪(しび)は味わい良からずとて地下の者も食わず、しびは死日に聞こえ不吉なり」とあり、マグロは下等、下品な魚と見られていたようです。江戸時代では武を尊ぶ気風が強かったことから「勝つ、勝男武士」と表現される鰹が好まれました。 昭和の初めごろになり、マグロは徐々に寿司ネタとして使われるようになりましたが、赤身が主流で「トロ」はあまり食べられていませんでした。「トロ」が珍重されるようになったのは最近のことで、そこには戦後の食文化の欧米化の影響がありました。 <引用:熊井英水 著、クロマグロ完全養殖、成山堂書店>