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食事

マグロは何番目にお好き?(2)

マグロ食の歴史 8世紀末頃に完成したといわれる我が国最古の歌集である万葉集には漁業の情景を歌ったものがいくつかあり、そこから当時の漁法を知ることができます。 万葉集第9巻4218番には大伴家持が越中守として赴任した時に詠んだ歌があります。当時は漁火を灯してそれに集まるマグロを銛で突いて取っていたことがわかります。 江戸時代に書かれた慶長見聞集には「鮪(しび)は味わい良からずとて地下の者も食わず、しびは死日に聞こえ不吉なり」とあり、マグロは下等、下品な魚と見られていたようです。江戸時代では武を尊ぶ気風が強かったことから「勝つ、勝男武士」と表現される鰹が好まれました。 昭和の初めごろになり、マグロは徐々に寿司ネタとして使われるようになりましたが、赤身が主流で「トロ」はあまり食べられていませんでした。「トロ」が珍重されるようになったのは最近のことで、そこには戦後の食文化の欧米化の影響がありました。 <引用:熊井英水 著、クロマグロ完全養殖、成山堂書店>

マグロは何番目にお好き?(1)

私たちが好んで口にする寿司ネタ、「マグロ」年々その漁獲高は減ってきています。その実態をご存知でしょうか。 かつて、クロマグロはマグロ類全体の数パーセントしか流通しておらず、脂の乗ったトロの部分は僅かなため、クロマグロは高価でなかなか口にすることのできない貴重なものでありました。最近ではスーパーや回転寿司でも見かけるようになりましたが、これは養殖マグロが市場に出回るようになったからなのです。 回遊魚であるマグロ類は必要酸素量が多くクロマグロ養殖の環境としては水深20m以上、波浪の影響が少ない、潮流が1~2ノット、溶存酸素量は7ppm、適水温は20度以上とされています。 マグロの養殖には多くの課題があり、それらを解決して行かなければなりませんでした。養殖を始めた当初は稚魚まで育成することはできましたが、飼育のむずかしいクロマグロは稚魚以降には育たなかったといいます。 完全養殖の達成によって養殖用種苗の確保は天然資源に頼ることなく、人口生産が可能となりました。安定供給ができたことで産業としても発展できたのです。