隙があったので自分を語る(3)
それからは夜な夜な、真夜中の時刻になるなるとズガガガガ、ギィーギィー、バンという音がし始めたのでした。木の壁を切り裂いて侵入しようとしているみたいでした。私の寝室は二階にあり和室ですが、畳の下には空間があり、壁とつながっていて外から虫が入れるようになっています。私が眠りにつくか着かないかという時に、彼は私の寝ている畳の真下に来て、何時間もウロウロしていました。 家から出ていけ、さもなくば首を切ってやるぞと脅しているかのように。引越し当初掃除していて見つけた、前に住まわれていた方が残していったであろう血だまりとドアに残してあった手形の血痕が頭を横切りました。 私はうるさいぞと畳や壁を叩いたり音を出したりしましたが、全く止まる気配がありません。それから数日同じような攻防が続きました。しばらくしてから昆虫王は去っていきましたが、ヤモリ君と闘って敗れたのか、興味をなくして去っていったのかはわかりません。 私は峰を連ねる山々を見るのが好きです。地方は自然が多く、木々が生い茂っていますので空気も新鮮でおいしいです。移住してから私は多くの感銘を受けましたー動物の知能がとても高いという事に気づきましたし、植物や昆虫、自然と密に接していくうちに私の内在する考えも変わったように感じます。 生命とは何なのかその問に頭を悩ませながら今日も一日平穏無事であることを願っております。