Thu. May 7th, 2026

動物

アホウドリはそんなにアホなんでしょ?(2)

海をさすらうアホウドリですが、繁殖活動は太平洋のミッドウェー島で行います。陸では卵やひなの面倒を見て、海では数日から数週間かけて餌を探します。アホウドリの子育てを成功させるには、それぞれの親鳥が知識や技能を持っているだけでは不十分で、つがい間の強い繋がりも必要とされます。もし片方の親鳥が死んだり、子育てを放棄すれば、ひなが巣立つことはありません。 そのため、アホウドリはパートナーの選定にはとても慎重です。三才ほどの若鳥になるとアホウドリは自分の生まれた島に戻っていきます。それから数年の年月を費やして、互いにさえずいたり、ダンスを披露したりして、最終的に自分に合う一羽のパートナーを見つけていくのです。ダンスをしたり、時には巣を作ったりする交際期間ですが、交尾は行わないといいます。 アホウドリが、いつこの地球上に誕生したのかハッキリとはわかっていません。一番古い時代の化石記録は3300万年前になるといいます。 3000万年という苦難と危険に満ちた長い年月を生き抜いてきたアホウドリー不憫な名前を付けられてしまいましたが、その実態は人間のように思慮深く、かつ互いを信じあって困難を乗り越えていく生き物だったのです。 <引用:トム・ヴアン・ドゥーレン著、絶滅へ向かう鳥たち、青土社>

アホウドリはそんなにアホなんでしょ?(1)

テレビや新聞などでアホウドリの名を聞いた事はあるでしょう。なぜこのような名前を付けられたのか、可哀想、不憫に感じられたことはないでしょうか? アホウドリはノマドのように海をさすらう外洋性の海鳥です。他の海鳥が海岸沿いを主な生活の場にしているのとは違い一生のほとんどを沖合の海上で過ごします。アホウドリは一日に数百マイルの距離を移動することもあり、平均移動速度は時速50~80キロになるといいます。 渡りをする鳥は珍しくありませんが、得てして頻繁に長距離を移動するものではありません。それに対して、広大な範囲を飛び回るアホウドリですが、連日長距離の移動が行われます。長時間にわたり、疲弊することなく飛行するにあたって、アホウドリは可能な限り羽ばたきを少なくし、風の力を借りて滞空状態を維持しています。生物学者のスコット・シェーファーは「アホウドリのボディプランは最小限の労力で高速滑空能力が最大化するように設計されている」といいます。

最近よく名前を聞くあの熊(2)

ツキノワグマの名前の由来は胸にある白い模様が三日月に見えることからきているのは多くの方がご存知だと思います。 ツキノワグマの胸の白い模様は個体によって異なります。エプロンみたいな模様の個体もいれば、左右非対称の模様の個体など様々です。基本的には年齢によって模様は変わらないので、模様の違いを使って野生のツキノワグマの生息数を算出しようとする試みも行われています。 ツキノワグマの一日はどのようなものなのでしょう。 その一日は夜明けとともに始まり、日暮れとともに終わります。冬眠から目覚めた直後の春は、一日の活動時間が少なく寝たり起きたりを繰り返しながら、冬眠中に低下した体力を徐々に回復させていきます。夏になると、暑さを避けるため昼間は木の上などで寝て過ごし、活動するのは朝方や夕方になります。秋以降は飽食期と呼ばれ、昼も夜も食べる事に専念します。このように、自然の中でツキノワグマは人間と同じような昼行性の生活をおくっていたのです。 <引用:小池伸介著、ツキノワグマのすべて、文一総合出版>

最近よく名前を聞くあの熊(1)

最近巷を騒がせているツキノワグマはどのような生活を送っているのでしょうか? 現在、世界には8種類の熊の仲間が生息しています。アンデスグマ、ナマケグマ、マレーグマ、アメリカクロクマ、ツキノワグマ、ヒグマ、ホッキョクグマです。ツキノワグマは、西はイランやパキスタン、東はロシア、朝鮮半島、日本の本州に広く分布しています。 ツキノワグマはいつ何処から現れたのでしょう? 約500万年前にヒグマとツキノワグマの共通の先祖がいたとされます。その約50万年後に東南アジアに生息するマレーグマとインドに生息するナマケグマがツキノワグマから分岐していきました。 ツキノワグマは東アジア全域に分布を広げ、日本には60万年程前に朝鮮半島を経由して北九州にたどり着きました。地球全体が氷河期で陸続きだったため泳いでではなく歩いて渡ってきたのです。二ホンジカやニホンザルなどの大型哺乳類もこの時期に日本に渡ってきていました。